第21回「釈迦寺こころの会」を開催しました

日時:平成24年12月12日(水)
場所:萬徳院釈迦寺 稲毛

今年最後の会となりました。冷たい風の吹く中でしたが、大勢の皆様にご参加いただきました。ありがとうございました。

今月の特集は、お正月が近いこともあり、「神と仏のお正月」と題し、神様(神道)と仏様(仏教)それぞれの新年儀礼についてお話がありました。

第一席は、江島靖秀先生の「神道篇」。お正月は年神さまをお迎えする行事であること。また宮中祭祀として天皇陛下が元旦早暁に行われる「四方拝」について。伊勢の神宮をはじめ天地四方の神々を拝礼されることから一年が始まるとの解説がなされました。

第二席は、法儀課長・平野将祐先生の「仏教篇」。お正月は「神事」との印象が強いですが、そこに先師達はいかに仏教的儀礼の意義―旧年の罪科を懺悔し、新たな気持ちで新年を迎えるため、仏の威力、加持を頼む―を組み込ませてきたのかを、「宮中」と「村落」に目を向けお話し下さいました。宮中において、元旦から七日までの神事の後に、八日から十五日まで行われていたのが、仏事としての御七日御修法(ごしちにちみしほ)でした。これは宮中真言院にて玉体安穏、鎮護国家、五穀成熟のために行われる、弘法大師空海により始められた、真言宗最大の秘法(今は京都の東寺で行われている)。御修法の道場図をもとに縷々説明がなされました。続いて全国各地で行われる正月の仏教行事である「オコナイ」(御講内、御行などと書く)について解説。宮中と村々の「祈りのかたち」の一致(荒々しくエネルギーに満ち溢れたところなど)が見出されるとのお話でした。しかしながら、ややもすると年中行事として形骸化していることをご指摘、新年を迎えるにあたり、真摯に潔斎をし、世界平和と人々の幸福のため、祈りの本質を忘れずに向き合い、顕現させることこそ、現代を生きる僧侶として必要、として結ばれました。

第三席は『仏教聖典』のみんなで読誦。今回は「はげみ」の第2章「実践の道」の第1節「道を求めて」でした。

平成24年の「釈迦寺こころの会」を無事に終えることができました。ご参加の皆様には感謝の念でいっぱいです。「みんなのお寺」の「みんなの広場」をよりよいものにするため、明くる平成25年(2013)もどうぞよろしくお願い申し上げます。

新年最初の特集は「坐禅・瞑想」です。心と身体のためになる、すぐにも役立つお話と実践指導です。ご期待ください。

第21回「釈迦寺こころの会」1第21回「釈迦寺こころの会」2第21回「釈迦寺こころの会」3

去る12月8日に修行致しました、今年の星祭りが無事結願しましたことをご報告致します。

前日7日に三陸沖を震源とする強い余震に見舞われ、未だ自然の脅威にさらされる私たちにとって、仏様に対する真摯な祈りが届き、来る年の大難が小難、小難が無難になりますようご祈願申し上げました。

静寂に包まれた堂内でローソクの灯火のみに照らされ、3人の修法者により秘密の行法が粛々行われました。

金剛鈴のチチンチン、チチンチンの静寂を切り裂く高い金属音を合図に、法楽太鼓が打ち鳴らされ式衆の僧侶が入堂し、独特の旋律をもつ「修験懺法」を読誦し、つづいて般若心経が太鼓と共に力強く読経されました。のち、行者による参拝の皆様の五体加持が行われ、心地よい緊張感と大音声の中に終了しました。

振り返ってみると、当日は150名近くの参拝があり、過去最高の御来寺を頂きました。皆様、名物の厄除けの大根炊きを召し上がられ、御帰りになられました。

お知らせしておりますように、夜に行ってまいりました星祭りは今回が最後です。来年(平成25年12月)の星祭りは行わず、次の新年(平成26年)の元旦に祈願会に移行して参ります。釈迦寺三院それぞれにて行う予定ですので、お近くの釈迦寺に御参り下さり、新年の御祈願も御利用して頂けますよう、よろしくお願いいたします。

星祭り1星祭り2星祭り3

星祭り4星祭り5星祭り6

坐禅の時間では前回に引き続き、まず椅子に坐って簡単な瞑想を体験致しました。ステンドグラス、そしてご本尊様のお釈迦さまと向かい合い、普段味わえない静寂(せいじゃく)なひと時を僧侶と一緒に過ごしました。休憩を挟み、いよいよ法話会の始まりです。第一席目は「般若心経の心音(しんおん)」と題された河野先生のお話。お経は内容を理解する事も大切ですが、一心に読誦(どくじゅ)することが何よりであると、目を大きく開いて力強くお話し下さいました。

第二席目の大浦先生は、「心が軽くなる智慧(ちえ)のお経」と題され、般若心経の中身を日常の喩え話を織り交ぜながら、分かりやすく解説して下さいました。川を渡るために造った筏(いかだ)を渡った後も手放せないのは、そこに造ったというこだわりや、執着(しゅうじゃく)があるからだと説き、また人生を一つの部屋に喩え、生まれた時は空っぽでも経験や知識が部屋を埋め尽くす、固定観念を捨ててみましょう、と優しくお話し下さいました。

参加された皆様の反応として「般若心経の話が分かりやすく勉強になりました。」「執着を無くすことは大変難しいですね。」など様々なご意見を頂戴致しました。

次回は12月30日(日)です。本年の総まとめの「坐禅・法話会」へ是非ともご参加下さいませ。 合掌

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