「成道会」を厳修しました

去る12月8日に、萬徳院釈迦寺各院において「成道会」を厳修しましたことを御報告申し上げます。

成道会はおよそ2500年ほど昔の12月8日、御釈迦様が悟りを開かれたことを祝い、感謝するためにお勤めされます。現代においても通じる御釈迦様の残された教えをこれからも大切にして、より多くの人に触れて頂きたいとおもいます。

合掌

船橋中央
成道会 船橋中央1成道会 船橋中央2成道会 船橋中央3

小室
成道会 小室1
成道会 小室2
成道会 小室3

稲毛
成道会 稲毛1
成道会 稲毛2
成道会 稲毛3

去る11月30日、萬徳院釈迦寺船橋中央に於いて、第24回座禅法話会が開催されました。今回も皆様と身体、息、心と順番に整えましてから座禅を行いました後、「冬至」という題材で、水野賢秀師と平野将祐師の御二方に御法話をいただきました。

第一座 水野賢秀師 「冬至に学ぶ」
冬至とは皆様ご存じの通り一年で一番日照時間が短い日であります。
この日照時間ですが、日照といえば我々僧侶はご戒名に「照」という字をよく使います。言わずと知れた「照らす」という意味です。照は光をあらわします。故人様が光となってまわりの方々を照らして欲しいという願いをこめて戒名にお授けする文字です。また照らすという言葉は時には人の支えになったり周りを勇気付けたりして非常に良い言葉であります。

さらに照らすといえば天台宗の教えに《一隅を照らす》という有名な言葉がございます。
この隅というのは自分自身の一人の役目の事であります。
一人が照らすと周りもそれにつられて照らされついには社会全体が照らされるという教えです。つまり個人一人ひとりが大切ということです。一人が、その持ち場で全力を尽くすことによって、まわりがそれにつられて照らされ,やがては社会全体が明るく照らされていくというすばらしい教えであります。

冬至の日照時間と同じく人生は非常に短いものでございます。その限られた時間の中で自分を輝かせまわりを照らしてゆくことできればなによりも幸いではないでしょうか。

第二座 平野将祐師 「冬至 -陰陽五行説と星まつり-」
冬至は二十四節気の一つであり、始まりとされます。
暦を読み解く上で、その形成の過程で辿って来た気候、風習などシルクロードの終着点である日本人かつ現代人である私達がそこに意味を求め、理解することができるのかを思索してみたいと考えます。
冬至は昼が一番短く、夜が長い日とされ、太陽の光が最も弱くなる日とされます。それは太陽が新しい力を得る準備の日ともされ「再生」を表す日とされます。習俗として太陽の復活を願い祭りが行われ柚子湯に浴し、小豆、カボチャ(南京)を食べる習慣が知られています。

ここで疑問が芽生えます。これらの習俗のいわれは何なのかと言うことです。
有益なのが中国を起源とし、発達した「陰陽五行説」と言う思想です。その影響は私たちが考えるより深く私達の生活に入り込んでいます。
宗教、文化、医学、自然哲学、占術などその法則から読み解くことは明快で興味深いものです。
太一(太極)【一元論】は陰の気と陽の気で成り立つ【二元論(対立)】と言う前提のもと、それは五つの元素の様なものに分類することができます。それが木、火、土、金、水の五行【循環原理】と言うものです。それぞれの属性に物事を当てはめ相性、対立を理解することが可能です。

木生火(木は火を生じ)
火生土(火は土を生じ)
土生金(土は金を生じ)
金生水(金は水を生じ)
水生木(水は木を生ず)
これを五行相生と言います。

木剋土(木は土を剋し)
土剋水(土は水を剋し)
水剋火(水は火を剋し)
火剋金(火は金を剋し)
金剋木(金は木を剋す)
これを五行相剋と言います。

これらの原理にいかに配当するのか?
ロマンある自然哲学の源流とも理解できるように思います。

冬至を陰陽五行説で読み解いてみましょう。
春夏秋冬、土用を含め五つの季節があり、冬は「水」に当たり即ち「陰」の極みとされます。そこで柚子湯や小豆、カボチャを食す行為は「陽」の気を当てる意が有るのです。
果実の色が赤色や黄色であることや南方原産の温かい地域の食べ物で気のバランスを取るのだと考えられます。
当山では「星まつり」「星供」を修行します。人生、吉凶禍福を司る「守り星」に厄除けの為に供養を施す祈祷法要です。十六日から前行、二十二日の冬至に結願を致します。星まつりと冬至の関係は夜が長く、「陰」の気が満ち、星々が輝きに満ち溢れる時こそ願いが成就されると言う逆説的発想とも言えます。
穏やかに新年を迎えるため憂いを残さず、神仏の加護を願い、冬の味覚で養生する「充電期間」があるからこそ飛躍できるのです。「冬至冬中事始め」と申します。まだまだこれからが寒いのです。御自愛頂き新年を御迎え下さい。

次回の開催は1230日(火)です。題材は「除夜の鐘」です。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

第二十四回「坐禅・法話会」1 第二十四回「坐禅・法話会」2 第二十四回「坐禅・法話会」3

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