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[第2号 2011/11/28] 般若心経法話実況録音
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[INDEX] 般若心経法話実況録音
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【1】法事は参加型が主流
【2】心経におけるキーワード・その一 般若波羅蜜多(はんにゃ・はらみた)
【3】心経におけるキーワード・その二 空
【4】度一切苦厄
【5】行深般若波羅蜜多
【6】付録・母子の馬の見分け方
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[1]:法事は参加型が主流
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最近の法事は参加型が主流で、お経は檀家さまと一緒にお唱えいたします。
『般若心経』を唱えした時には、簡単な解説を行います。本日はその実況録音を
お聞かせいたします。
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[2]:心経におけるキーワード・その一 般若波羅蜜多(はんにゃ・はらみた)
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先ほどはお経をご一緒にお唱え下さり、皆さまの声(こえ)と念(ねん)が
調和して、とてもよいご供養ができました。ありがとうございました。
さて般若心経について簡単にご説明いたします。
『般若心経』におけるキーワードは二つです。その一つが般若波羅蜜多です。
お経の中では行深(ぎょうじん)般若波羅蜜多、依(え)般若波羅蜜多が二回、
故知(こうち)般若波羅蜜多、故説(こうせつ)般若波羅蜜多呪(しゅ)と
計五回でてきます。
般若波羅蜜多は、智慧(ちえ)の完成(かんせい)とも翻訳でき、仏さまの
智慧を意味します。
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[3]:心経におけるキーワード・その二 空
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第二のキーワードは空(くう)です。仏さまの智慧とは、空に関する智慧であります。
空を知る智慧とは、簡単には説明できませんが、高田好胤師は「かたよらない心、
こだわらない心、とらわれない心」と表現されました。お経の中には不生不滅
(ふしょう・ふめつ)、不垢不浄(ふく・ふじょう)、不増不減(ふぞう・ふげん)
とあるのが、空の見方を明かした部分です。
(不生不滅等については、前号にてお話しいたしました。)
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[4]:度一切苦厄
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空の智慧が身についてくると、心に障(さまた)げ、覆(おお)いがなくなる
心無ケイ礙(しん・む・けいげ)の状態となり、心が晴れ、ものごとが正しく
見られるようになります。
最終的には、度一切苦厄(ど・いっさい・くやく)、遠離一切顛倒
(おんり・いっさい・てんどう)が実現されます。顛倒とは、転んだ、さかさまな
見方をいい、度一切苦厄の度とは、さんずい偏のついた、渡(わたる)と同じで、
解放されるという意味です。
ですから般若心経とは、般若波羅蜜多を実践して、空なる智慧を身につけ、迷いの
此岸を超えて、悟りの彼岸に達するためのお経なのです。
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[5]:行深般若波羅蜜多
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般若心経をお唱えすることは、般若波羅蜜多を行じることになります。
次号も引き続き、『般若心経』について書いてみたいと考えています。
それまで皆さま方は『般若心経』をすらすらご唱和できますように、毎日ご自身で
もお唱え下さいますようお願いいたします。
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> [6]:付録・母子の馬の見分け方
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付録として、問い掛けをひとつご紹介します。「ここに全く同じ姿・形の
母子の馬がいるとします。どうすればその母子を見分けることができるでしょうか」
(仏教伝導教会『仏教聖典』参照)答えは、釈迦寺ホームページで公開中です。
【解答編】
草を与えると直ちに見分けることができます。母馬は、必ず仔馬の方へ草を
押しつけ、食べさせようとするからです。わたしたちは、母親・父親のご恩を
一日たりとも忘れて、空(むな)しく過ごしてはならないと思います。