お知らせ
2013年10月05日
第十一回「坐禅・法話会」を開催致しました
去る9月30日、萬徳院釈迦寺船橋中央に於いて、第11回座禅法話会が開催されました。平野将祐師司会進行のもと、まずは皆様に座禅を体験して頂きました。その後、「不動明王」という題材で、射場良秀師、今野先生の御二方に御法話を頂きました。
第一座 射場良秀「無動寺谷のお不動さん」
比叡山中に有る無動寺谷。
ここには明王堂というお堂があり、相応和尚が彫り上げられた不動明王像がお祀りされております。相応和尚とは、千日回峰行のお祖師様であり、この谷こそが回峰行の拠点。都合七年間に及ぶ荒行に於いて、行者は途中で行を止めることは出来ません。行満叶わぬと分かった時点で自ら命を絶たねばならぬことが決められており、そのための死出紐と短刀を持ちながら続けられる荒行。そして刀と縄というお不動さんと同じ物を手に邁進する回峰行者は、行中に必ず一度本物のお不動さんに出会えるのだそうです。
心の有り様によって、見え方や聞こえ方が変質する私達。はたして回峰行者が見たお不動さんはどの様な御顔だったのか?質問を投げかけつつ法話を申し上げました。
第二座 今野先生「不動明王の信仰とご利益」
今回は「不動明王の信仰とご利益」をテーマにお話ししました。
まず、以前に比叡山の千日回峰行を万行された、大阿闍梨様の十万枚護摩行に接した経験をご紹介させていただきました。そのお姿は、まさに生ける不動明王そのものでした。ついで不動明王のお姿(肥満の童子形=召使を表す)とお名前の意義、護摩という火を焚いてお祈りをする方法などその信仰を概説し、なかでも不動明王は信仰するものに付き従う働きがあることをお伝えしました。
日本各地には不動明王が多く祀られていますが、なかでも千葉の成田山は有名で、二宮金次郎が21日間断食修行を修めたことで知られています。また、市川団十郎が代々信仰し、歌舞伎の中にも不動明王を演じるという逸話があります。
滋賀県大津市にある三井寺は釈迦寺とご縁の深いお寺です。昔、その三井寺には病気の師匠の身代わりとなって命をささげた小僧さんがいました。そして、その志に感銘した不動明王が身代わりとなって、師弟ともに救った逸話があります。
交通安全をはじめ、あらゆる災いを身代わりとなって引き受けてくれる不動明王。「お不動さん」と親しまれていますが、干支では酉年の守り本尊であり、亡くなってから初めての法事である初七日の本尊であるという、この世のことから、あの世のことまで、常に私たちに寄り添ってくださる仏様なのです。
次回の開催は10月30日(水)です。次回の題材は「もみじ」です。皆様のご参加を心よりお待ちしております。