お知らせ

2014年10月06日

第二十二回「坐禅・法話会」を開催致しました

去る9月30日、萬徳院釈迦寺船橋中央に於いて、第22回座禅法話会が開催されました。今回は釈迦寺にもお招きしたことのあるタイの日本人僧プラユキ・ナラテボー師の紹介と、その方の瞑想法「気付きの瞑想」を皆様と行った後、「仏教と健康」という題材で、川井亮證師と平野将祐師の御二方に御法話をいただきました。


第一座 川井亮證師 「~現代に生きる仏様の教え~」
大涅槃経というお経の中に、「一切の疾病は宿食を本と為す」とあります。
病気の本は、不適切な食生活によるところが多い」との意味になります。
昔も今も、健康維持のためには、適切な食生活を心がけることが大事なようです。自らの欲望をコントロールし、心も体もお健やかにお過ごしいただけますよう、仏様の教えを紹介させていただきました。


第二座 平野将祐師 「長寿の秘訣 - 天海僧正に学ぶ ―」
長寿を誇った人物と言えば「天海僧正」を思い起こされるのではないでしょうか。僧正は徳川家康公の心の師として尊崇を受けた天台宗の僧侶です。
 80歳近くで徳川家康公に拝謁し、その精神的支えとなり108歳の天寿を得たその生涯と金言から精神的、肉体的健康とは何かを考えたいと思います。
 戦国時代から江戸時代初期に活躍した天海僧正は11歳の出家の後は各地を遊学し修行に邁進したとされます。
やがて今の川越喜多院の住職として乞われ、江戸入府を果たした家康公と急速に親交を温めていくのです。
 比叡山の復興、喜多院の再建、日光東照宮の造営、上野寛永寺の開山といくつもの大事業をなしとげ幕府を支えました。僧侶としても一切経の改版、「大権現」の神号を家康公に授け、その神威を天下に知らしめた立役者も天海僧正なのです。
三代の将軍に仕えた僧正の言葉に注目し秘訣を探って見ましょう。
気は長く 勤めは堅く 色薄く 食細をして 心広かれ
これは家光公に説いた言葉とされます。「生まれながらの将軍」家光公は短気、神経質で男女問わずの好色であったと伝わります。戒めと心の余裕を機智にとんだ歌を以って教え諭したように思います。
長命は粗食、正直、日湯、陀羅尼、時折ご下風あそばされるべし」これは秀忠公に語った長寿の秘訣です。日湯は毎日の入浴。清潔の大切さで有ると共に今で言うリフレッシュ「気の充実」とも考えられます。陀羅尼(読経)は日々の信仰のある生活であり心の「安楽」につながります。最後の「ご外風」はオナラの事です。体内にガスや色んなものを貯めるのは良くないものです。
五体の循環、精神の健全こそが長寿へのヒントと思われます。
また共通するのは「腹八分目」と言うことです。食の大切さ、満腹、美食を戒められました。
僧正の好物は「クコ飯」と「納豆汁」と伝わっています。「クコ」は仙人の妙薬とされる木の実で免疫力強化の効能があります。
納豆は老化防止、コレステロールを下げる効能が注目されます。
僧正の長寿がこれらがいかに効果的であるかを証明していると言えます。
飽食、偏食の時代の私達は天海僧正の滋味深い、その宝物ともいる言葉に耳をかたむけシンプルで豊かな生活に少しでも近づきたいものです。
天海僧正を尊崇した山田惠諦天台座主が座右とされた僧正の言葉を御紹介します。
事足らば 足るに任せて 事足らず 足らず事足る 身こそ安けれ
何事も極端に成果を求めるのは危険です。「いい加減」こそ精神の解放であり「命を上手に使う修行」と言えるのでは無いでしょうか。

次回の開催は10月30日(木)です。題材は「仏教美術」です。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

第二十二回「坐禅・法話会」1 第二十二回「坐禅・法話会」2 第二十二回「坐禅・法話会」3

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